婦人科
婦人科
主として、以下のような病気に対して、豊富な経験に基づいて対応します。まずは来院いただき、ご相談ください。
(症状などによっては、自費となる場合がありますので、お問い合わせください)
など
※婦人科受診希望の方で発熱・呼吸器症状のある方は、先に他院(内科)を受診後にご予約ご来院ください。
日本人の2人にひとりががんになるといわれています。
女性では乳がん、大腸がん、肺がん、胃がん、子宮がん(2019年全国がん登録罹患データ)の順です。
子宮がんには子宮の入り口である子宮頸部にできる子宮頸がんと奥の方にできる子宮体がんがあります。日本では毎年約1万人が子宮頸がんと診断され、年間約3000人が亡くなっています。子宮頸がんは、初期段階ではほとんど症状がなく、進行するに従って生理以外の出血(不正性器出血)、性行為の際の出血などが現れますが、自覚症状が現れて受診したときには、すでにがんが進行していたというケースも少なくありません。検診の重要性が理解いただけると思います。
現在、子宮頸がん検診は、2年に一度、問診・視診・内診と医師がブラシなどで採取した細胞による細胞診を行います。
月経中や直後は避けてください。また、子宮を摘出した方や性交渉をしたことがない方はご相談ください。
なお、子宮頸がん検診については、現在の2年に一度の細胞診による検診から、30歳から60歳のHPV単独検査を5年間隔へと延ばすことも検討されており、今後、現在のやり方から変更になる可能性があります。
2024年4月より子宮がん市検診の診療を開始しております。予約システムよりご予約ください。
*お支払いは現金のみとさせていただきます。
女性は卵巣機能の低下に伴い、月経が不順になり、だいたい50歳ぐらいで月経が永久に来なくなります。これが閉経です。実際には1年間月経が来なかったときに遡って最後の月経を閉経年齢とします。日本人女性は世界一の長寿であり、平均寿命は約87歳ですから、閉経は人生後半への入り口にあたります。
この閉経の前5年と後ろ5年の計10年間を更年期と呼びます。閉経は女性ホルモンと呼ばれるエストロゲンのレベルが低下します。
エストロゲンレベルの加齢による変化
エストロゲンは女性の心身を護っているホルモンですから、閉経に伴うエストロゲンの低下は心身にさまざまな不調を引き起こします。これを「更年期症状」と呼び、症状は200以上あるとも言われており、有名なのぼせ・ほてりなどの身体の症状に加えて、不安やくよくよ、やる気のなさといったこころの症状も少なくありません。また、例えばシワや毛髪の衰え(詳しくはこちらを参照ください)などもエストロゲンと関係しています。この更年期症状の中でも仕事や家事などの日常生活に支障を来すものを「更年期障害」と言います。
更年期における頻度の上位20症状
(慶應義塾大学病院のデータ)
黄色は身体の症状、紫はこころの症状
注意したいのは、更年期による症状だと思っていたら、実は大きな病気が隠れていることがあることです。例えば、甲状腺機能の異常やうつは更年期外来でよく見つかりますから、各種検査も必要です。
また、更年期の時期は夫の定年や子どもの受験、介護など家族の問題、お仕事をしている方は職場のストレス、地域のコミュニティーでのトラブルなどホルモン以外の社会的・環境的な要因も関係してきます。さらに元来の性格も関係します(性格の悪い方は更年期障害にならないと言われています。まじめで自分のことを考える方がなりやすいです)。
ご自分では更年期障害なのかどうかは判断が付かないことも少なくありませんし、隠れている疾患を見つけるためにも、おかしいな?と思ったら気軽にご相談ください。
治療としては、下がったホルモンレベルを補うホルモン補充療法(HRT)、漢方療法、ある種の精神科的なお薬、カウンセリングなどがあります。また、最近は大豆イソフラボンの代謝物であるエクオール・サプリメントにもエビデンスがある・・つまり、効果が実証されているものがあります。症状や原因により対応は異なりますから、長い治療経験に基づいて、あなたに一番適した治療をご紹介します。
エストロゲンの低下は更年期障害だけでなく、生活習慣病といわれる、コレステロールの異常である脂質異常症、骨量が低下する骨粗鬆症なども引き起こします。これらは「サイレントディジーズ(静かなる病気)」と言われるように、ひどくなるまで病気と自覚されることが少ない病気です。しかし、心筋梗塞や脳梗塞、あるいは骨折などになってしまうと、QOL(生活の質)に大きく影響してきます。
当院では人生の後半も楽しく、幸せに過ごせるように、総合的な健康管理・・・トータルヘルスケアを目指します。
女性の心身はホルモンに影響を受けていることはよくご存じだと思います。
月経周期のうち、一番調子の良いのは月経後から排卵までの卵胞期と呼ばれる時期だと言われています。一方、月経中を除けば、最も不調なのは月経前の黄体期と呼ばれる時期です。
この時期の不調は月経前症候群(Premenstrual syndrome:PMS)と呼ばれています。月経が来ると急速に症状が改善するのですが、むくみ・肌荒れ・乳房緊満感・腹部膨満感・頭痛といった身体の症状とともに、イライラ・情緒不安定・うつ気分・眠気といった精神的な症状も少なくありません。症状の数は200とも300とも言われており、チョコレートをバカ食いしたくなるなどの食欲増進は有名かもしれません。また、PMSの精神症状の重症型は月経前不快気分障害(PMDD)と呼ばれますが、子どもに八つ当たりしてしまい、後で落ち込むといった場合も起きます。自分が辛いだけでなく、お子さんやご主人などの家庭や会社などにも影響を与えるため問題は深刻です。
引用:大塚制作HP「PMSラボ」「全国の女性1000人(30~44歳)を対象としたインターネット調査」
頻度は、症状の程度が軽いものを含めると50~80%とも言われており、決して低くはありません。
PMSの原因はいまだ明らかになっていません。もちろん症状は月経周期と同期して出現することから、女性ホルモンに関連していることは間違いありませんが、PMSを訴える女性でも血液中の女性ホルモンのレベルは異常がないことが分かっています。現在では、脳内のホルモン、ストレス、遺伝的要因など多くの因子が関連した症候群だと考えられています。
治療としては以下のような方法があります。
脂肪摂取やアルコール摂取を控え、バランスのとれた食事(適度に炭水化物をとり、精製糖や人工甘味料を避けること、カルシウムやビタミンB6を摂取すること)や運動することは症状を改善します。マッサージやリラクゼーションも効果があるという報告があります。
いくつかのサプリメントにも効果のあるものがあります。とくにビタミンE・カルシウム・エクオール(大豆イソフラボンの代謝物です)を含んだサプリメントであるトコエル®は日本人での効果が検討されているサプリメントです(https://www.otsuka.co.jp/tcl/)。
安全性も高く、まず試してみてもよいものと考えます。
当院で販売しています(通常、薬局では購入できません)。
いくつかの漢方薬にも効果があります。副作用も少ないですから、比較的安心して服用できます。
従来より、高い効果があるとされているのはいわゆるピルです。ピルというのは避妊目的のホルモン剤を差しますが、現在では、いわゆるピルと成分は同じですが、月経困難症などに対して保険適応のあるホルモン剤が使えます。このうちある種のピルはPMSにも効果があるとされています。
ある種の精神科的な薬、特にSSRIというタイプの抗うつ薬も高い効果があります。ずっと飲み続けなくても、PMSであれば月経前だけの服用でも効果が期待できます。
これらの治療でも効果がない場合には、半年ぐらい月経を止めてみることもできます。月経がなければ月経前もないわけで、一度快適な生活を取り戻してみるのも一法です。
もちろんそれぞれの治療法には副作用もあります。当院では、お話を伺ったうえで、それぞれの症状にあった治療法を提案します。
お一人で悩まずに気軽に相談してください。